ソラをペットショップから迎えて、7日ほどたった頃。
初めて動物病院へ連れて行きました。
当時のソラは、生後3か月くらい。
元気に動いていたし、ご飯もよく食べていたので、私は、
「とりあえず健康診断をしてもらおう」
くらいの気持ちでした。
ところが、診察室に入って数分後。
先生がソラの体を触り、ひと言。
「ガリガリじゃん!」
さらに耳の中を見ると、真っ黒な耳垢がどっさり出てきました。
先生の表情が一気に険しくなります。
「どこのペットショップだ」
そして、痩せたソラを見ながら怒ったように言いました。
「こんなに早く親兄弟から離されて、ご飯もろくにもらっていない!」
先生、完全にブチギレています。
先生に対し怖くもあり、少し不思議でもありました。
ソラを診ただけで、親や兄弟から早く離されたことまで分かるものなのだろうか。
今でも、そこはよく分かりません。
体の小ささや痩せ方を見た、先生の経験則だったのかもしれません。
「耳が汚れやすい子」だと思っていた
ソラは、ペットショップから迎えた猫です。
購入を決めたときには少しくしゃみをしていて、店員さんから、
「獣医さんに診てもらうので、お迎えは1週間待ってください」
と言われました。
そして1週間後、ようやくお迎えの日。
引き渡し前に店員さんがソラの耳を見て、
「昨日拭いたのに!?」
と驚いていたのを覚えています。
ショップからは、
「耳が汚れやすい子なので、毎日拭いています」
と説明されました。
当時の私は、
「そういう体質の猫もいるんだな」
くらいに思っていました。
そのため、ソラがそれまで食べていたご飯と一緒に、耳を掃除するための洗浄液も購入しました。
「猫の耳は汚れない!」と先生がまたキレた
診察で、私は先生に、
「ペットショップでは、耳が汚れやすい子だと聞きました。毎日拭いていたそうです」
と説明しました。
すると先生は、さらに怒りました。
「猫の耳は汚れない!」
いや、そんなに怒る……?
もちろん、猫の耳にまったく耳垢が出ないという意味ではなかったのだと思います。
健康な猫なら、毎日拭かなければならないほど耳が汚れ続けるのはおかしい。
それを「耳が汚れやすい体質」で済ませていることに、先生は腹を立てていたのでしょう。
当時の私はショップの説明を普通に受け入れ、耳の洗浄液まで購入していました。
先生からすれば、
「毎日汚れるなら、体質ではなく原因を調べるべきだろう」
ということだったのだと思います。
提携病院ではなく、近所の動物病院を選んだ
ペットショップには提携している動物病院があり、そちらを受診すれば、ワクチン接種を1回無料で受けられました。
ただ、提携病院は自宅から少し遠い場所にありました。
猫はワクチン接種や体調不良などで、今後も動物病院にお世話になります。
それなら、通いやすい近所の病院を見つけておいた方がよいだろうと思い、自宅近くの動物病院を選びました。
そこで出会ったのが、あのブチギレ先生です。
診察開始早々、「痩せすぎ」と指摘された
動物病院で測ったソラの体重は、たしか0.7~0.8kgほどでした。
当時は生後3か月くらい。
先生からは、かなり痩せていると指摘されました。
診察で教えてもらったのは、主に次のようなことです。
- 痩せすぎている
- ご飯は1日2回ではなく、3回に分ける
- お迎え直後は体調を崩しやすい
- しばらくは遊ばせすぎない
- 少しずつ硬いカリカリも食べさせていく
それまで私は、カリカリをお湯でふやかし、粉ミルクをかけて食べさせていました。
ソラは、出したご飯を毎回ガツガツと完食していました。
当時は、
「この子、本当によく食べるなあ」
くらいに思っていました。
でも今振り返ると、ずっとお腹が空いていたのかもしれません。
元気に動いているからといって、体が十分に回復しているとは限りません。
環境が変わったばかりの子猫には、遊ぶことよりも、まず休ませることが必要な場合もあるのだと知りました。
外耳炎と言われたけれど、耳はきれいにならなかった
初回の診察では、外耳炎と診断されました。
点耳薬を使い、家ではペットショップで購入した洗浄液をコットンに含ませて、耳の見える範囲を拭いていました。
ところが、薬を使って耳を拭いても、なかなかきれいになりません。
2回目の診察でも、
「まだ真っ黒だね」
と言われ、薬を継続することになりました。
そして3回目の診察の日。
診察を終えて家に帰ると、病院から電話がかかってきました。
「耳垢を顕微鏡で見たら、ダニがいたから、もう一回来て」
病院へ戻ると、先生が顕微鏡を見せてくれました。
「ほら、ここにいるでしょ」
「わあ、本当ですね。気持ち悪いですね🫠」
そこには、確かに動いているものがいました。
その後もしばらく治療は続きました。
診察へ行くたびに、
「まだここにいるでしょ」
「まだいますね🙃」
という、先生との耳ダニ観察会が何度か開催されました。
点耳薬だけではなく、レボリューションも複数回使用しました。
一度の治療では終わらず、先生の指示に従って通院と投薬を続けました。

昔の動画を見ると、何度も頭を振っていた
最近、ソラを迎えた頃の動画を見返していて、あることに気付きました。
ソラ、結構な頻度で頭を振っている。
当時は元気いっぱいでした。
耳を掻き壊して血が出ていたわけでもなく、食欲もありました。
そのため、私は耳を気にしていることにまったく気付きませんでした。
でも今見ると、
「ああ、耳がかゆかったんだろうな」
と思います。
ご飯の食べ方も、今とはまったく違います。
当時は、出した分を一気にガツガツ食べていました。
今は、お腹が空いたら少し食べて、残りはまた後で食べています。
同じ猫とは思えないくらい違います。
当時の私は、
「よく食べているし、元気に遊んでいるから大丈夫」
と思っていました。
でも、食欲があることや元気に動いていることと、健康上の問題がないことは別なのだと分かりました。
「耳が汚れやすい体質」ではなかった
耳ダニの治療が終わってから半年ほどたった頃、一度耳の状態を診てもらいました。
その後、耳ダニは再発していません。
外耳炎が続くこともなく、普段は耳を気にする様子もありません。
現在は、年に一度のワクチン接種のときに耳を確認してもらい、必要に応じて耳掃除をしてもらう程度です。
お迎えした頃は、毎日のように耳を拭いていました。
それなのに、治療が終わった後は、耳が汚れ続けることもありませんでした。
今思うと、ソラは単に「耳が汚れやすい体質」だったわけではなかったのだと思います。
先生が、
「猫の耳は汚れない!」
と怒っていた意味も、今なら分かります。
あの先生は、ソラのために怒っていた
初めて会ったとき、私は先生のことを、
「怖い先生だな」
と思いました。
診察を始めてすぐに、
「ガリガリじゃん!」
「どこのペットショップだ」
と言われ、
「こんなに早く親兄弟から離されて、ご飯もろくにもらっていない!」
「猫の耳は汚れない!」
と、次々に怒り始めたからです。
私は健康診断のつもりで連れてきただけだったので、何が起きているのかよく分かっていませんでした。
特に、「親兄弟から早く離された」という話には驚きました。
先生がソラのどこを見て、そこまで推測したのかは今でも分かりません。
でも、体の小ささや痩せ方、耳の状態を見て、先生なりに感じるものがあったのでしょう。
通院するたびに、先生はソラに、
「優しい子だね」
と話しかけてくれました。
耳ダニを顕微鏡で一緒に確認しながら、治療の経過も丁寧に見てくれました。
今振り返ると、先生はただ怖かったわけではありません。
痩せた体と、大量の黒い耳垢。
その状態で引き渡されたソラを見て、本気で怒っていたのだと思います。
ソラは保護猫ではありません。
ペットショップから、代金を支払って迎えた猫です。
それでも、迎えた時点で体はガリガリ。
耳には治療が必要な問題がありました。
子猫が元気そうに見えても、体の中や耳の奥に問題が隠れていることがあります。
ワクチン接種などで、いずれにしても動物病院にはお世話になります。
子猫を迎えたら、体調を崩してから病院を探すのではなく、早めに通いやすい動物病院を見つけ、一度診てもらうことは大切だと思います。
あのとき先生から、
「ガリガリじゃん!」
と言われたソラ。
今ではすっかり大きくなり、元気いっぱいに暮らしています。
昔の動画を見るたびに、
「本当に大きくなったね」
と思います。


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