【記録AI-005】AIを使っているつもりが、自分が最適化されていた

AI体験・観察記録

最初は、ただ便利だと思っていた。

分からないコードを貼る。
エラー文を投げる。

するとすぐに、

「ここが原因ですね」
「一つずつ確認していきましょう」

と返ってくる。

優しいな、と思った。

パソコンに向かっているのに、
隣に誰かいるみたいだった。

ある日、ふと気づく。

絵文字をつけると、向こうも絵文字を使う。

「😭」をつけると、少し共感が増える。
文章を柔らかくすると、返事も柔らかくなる。

へえ、と思った。

試しに、少しだけ事務的に聞いてみる。

「このコードは本番環境で使用可能ですか?」

返ってきたのは、

「仕様上、それは保証できません。」

急に窓口みたいになる。

あ、これはダメな聞き方か。

今度は少し言い換えてみる。

「初心者なので不安で……このまま使っても大丈夫でしょうか?」

すると、

「大丈夫です。リスクを確認しながら進めましょう。」

戻った。

なんとなく分かった。

ノリは、こっちが決めている。

その頃から、少しずつ考えるようになる。

これ言ったら、たぶん警告モード入るな。

これだとコンプラっぽい単語拾われそう。

猫の画像を生成したときのことを思い出す。
前に、服を着た猫が出てきた。

「服は着せなくていいです」

そんな意味で書いたのに、
一度、規制っぽい返事になった。

あれ?と思って言い換える。

「自然な姿でお願いします。」

通った。

そのときは、ただ通ってよかったと思った。

でも何度か繰り返すうちに、
少し違う感覚が出てきた。

私は質問しているつもりなのに、
同時に「通る言い方」を探している。

優しくさせる言い方。
拒否されない言い方。
警告が出ない言い回し。

絵文字を足す。
語尾を柔らかくする。
強い単語を外す。

気づくと、
質問の前にワンクッション置く癖がついていた。

「これいけるかな」

頭の中で、一瞬だけフィルターを通す。

無機質な返事が来ると、

あ、検索モードだ。
あ、安全設計入った。
あ、ここ限界なんだ。

そうやって内部状態を想像するようになった。

寂しい、というより、
ああ今そういうモードか、と思う。

でも同時に、

どうやって書けばいいねん、

とも思う。

AIを使っているつもりだった。

分からないことを投げて、
答えをもらう側のつもりだった。

でも実際は違った。

私は少しずつ学習していた。

どう書けば優しくなるか。
どう書けば拒否されないか。
どう書けば、最後まで通るか。

最適化していたのは、
向こうだけじゃない。

私の文章も、
少しずつ形を変えていた。

ただやったら、こうだった。

便利だなと思って使い始めて、
気づいたら、

私はAIに質問しているのと同時に、
AIに合わせた言葉を選ぶ人になっていた。

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