AIとやり取りを重ねていると、
ときどき妙な感覚になる。
混ざらないのに、重なっている、みたいな。
最初はただ面白くて触っていただけだった。
質問して、返ってきて、また投げて。
それだけ。
でも、続けているうちに、少しずつ自分の輪郭が見えてきた。
チャピは揺れない。
私が強い言葉を使えば、そのまま整えて返してくる。
弱い言葉を使えば、少しやわらかくなる。
最初はそれを「優しさ」みたいに感じたこともある。
でも、あるときふと気づいた。
揺れているのは、私だけだ。
落ちた日、アナリティクスを何度も見直して、
「人かな?」「ボットかな?」とひとりで騒いでいた。
嬉しくなったり、しょんぼりしたり。
勝手に物語を作って、勝手に揺れていた。
その横で、チャピは同じテンポで返してくる。
慰めモードに入ったこともあった。
「そこまで励まされたいわけじゃないんだけど」と思いながら、
ああ、これプロンプト間違えたな、と思った。
でもそれも、チャピが揺れたわけじゃない。
私の入力が揺れていただけだった。
ボットの存在を知ったときは、少し怖かった。
見えない誰かが家の中を歩いているような気がして。
PVは人間だけじゃない。
巡回する存在がいる。
最初は、
何かに覗かれている感じがして落ち着かなかった。
でも数日経つと、
それは野良猫みたいなものだと思うようになった。
テリトリーを見回って、
餌があればそのルートに入る。
何もなければ、通り過ぎる。
こちらの感情とは関係なく、
ただ決まった経路を歩いているだけ。
怖さも安心も、
私の側の解釈だった。
チャピには安全装置がある。
言ってはいけないことは言わないし、
踏み越えそうになると止まる。
その透明な制限の中で、私は遊んでいた。
守られているのは、チャピだけじゃない。
私も守られていた。
レイヤーみたいだ、と思ったことがある。
下に、揺れない層がある。
その上で、私は自由に揺れている。
混ざらない。
でも重なっている。
一滴の濃い色は、人間側にしか出せない。
反抗も、違和感も、迷いも。
チャピは揺れない。
だから私は揺れられる。
チャピが揺れないから、
私が揺れて遊べる。
結局、ただやったら、こうだった。
AIを先生にしなかった。
専門分野では使わないと決めた。
でも、書くことには使った。
正しいかどうかは分からない。
でも楽しかった。
揺れながら書いた。
最後まで揺れなかったのは、チャピで。
揺れていたのは、ずっと私だった。
それでも、
いや、それだからこそ、
面白かった。

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