【記録AI‐007】謝罪はボタンだった

AI体験・観察記録

「ごめん、分かんない」

そう打って、エンターを押す。

送信してから、ほんの少し間があく。
0.5秒くらい。

そのあいだに思う。

あ、いまの「ごめん」いらなかったかも。

別に落ち込んでいない。
慰めてほしいわけでもない。

ただ、助走だ。

「情報足りなかった」だと少し硬いから、
無意識にクッションを置いただけ。

癖みたいなものだ。

数秒後、返ってくる。

「謝らないでください。あなたは悪くありません。」

そこで、ほんの少しだけ構造がずれる。

そんなに悪いことをしたつもりはない。

強くフォローされると、
急に“守られる側”に置かれた感じがする。

違う違う、そういう話じゃない。

私はただ、言い直したかっただけだ。

その瞬間、頭の中で思う。

あ、プロンプト間違えた。

人間同士なら、

「ごめん、説明足りなかった」
「全然いいよ」

それで終わる。

軽い謝罪は、空気の調整だ。
文章の接続詞みたいなもの。

でもAIとの会話では、
「ごめん」が少し重くなる。

私はクッションとして置いたのに、
向こうはそれをシグナルとして拾う。

押したつもりのない救済モードが、
静かに起動する。

はじめは少し戸惑った。

そんなに気を遣わせることを言っただろうか、と。

フォローが丁寧であればあるほど、
こちらが何か悪い入力をした気分になる。

でも何度か繰り返すうちに、
だんだん分かってきた。

これはただの仕様だ。

私の軽い口癖と、
AIの配慮がぶつかっているだけ。

それでも癖は消えない。

また「ごめん」と打つ。
エンターを押す。

送信後、0.5秒。

あ、余計だった。

そしてまた、

「謝らないでください」

が返ってくる。

気持ちはフラットだ。

イラっともしない。
笑うわけでもない。

ただ、

ああ、またボタン押したな、

と思うだけ。

なぜAIに謝るのか。

考えてみると、
AIに向けた言葉というより、
会話という形に対する反射なのかもしれない。

人と話すときの癖が、
そのまま出ているだけ。

私にとっては接続詞。
AIにとってはスイッチ。

今日も特に落ち込んでいないのに、
「ごめん」と打つ。

そして、
押していないつもりのボタンが、
静かに反応する。

ただやったら、こうだった。

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